サウナ初心者のためのサウナの入り方。

はじめに

ストレス解消と疲労回復にバツグンの効果があり、なんといっても合法的に気持ちよく幸せになれる、そんな素晴らしいサウナですが、サウナが苦手だったり敬遠している人も多いみたいです。確かにサウナで気持ちよくなるためにはコツがいる。スキル「サウナ入り方のコツ」を習得する必要があります。

 

サウナ施設がこれからもにぎわって、新しいサウナ施設が増えていくためにもサウナ人口が増えていくことは大切なことなので、少しでも多くの人にサウナの素晴らしさを知っていただくために、特に初心者に向けたサウナの入り方のコツをお伝えしていきたいと思います。

 

サウナの入り方にとって大切なこと

サウナといえばよく使われるワードである「ととのう」。これはとりあえず忘れてください。サウナにうまく入ることができるようになればいずれ体験できるはずです。

 

体温には深部体温というものがあります。体の内部の温度のことです。サウナでは深部体温を上げることを目指してください。ただ、1回のサウナで深部温度をいきなり上げることはできません。なぜなら、サウナでは深部体温が上がるよりも先に、体の表面の皮膚温の方が高くなり、特に頭部は熱に弱いということもあってツラくなってしまい、長時間サウナに入り続けることができないからです。

 

そこで水風呂が必要になります。茹でた野菜の粗熱を取るために水につけるように、皮膚温を下げるために水風呂に入ります。皮膚温を下げたら休憩してまたサウナに入ります。サウナと水風呂を繰り返すことで、体の表面の皮膚温を下げながら深部体温を少しづつ上げていく、これがサウナの入り方としていちばん大切なことです。

 

サウナの種類の話

サウナには乾式サウナと湿式サウナの2種類があります。※ミストサウナは今回除外

日本でいちばん普及しているのが乾式サウナ。銭湯や多くの温浴施設に導入されていて、一般の人がサウナだと広く認識しているのが乾式サウナです。乾式サウナは文字通りサウナ室が乾燥していて室温が高いサウナのこと。これとは逆に湿度が高いサウナが湿式サウナ。熱したサウナストーンに水をかけて水蒸気を起こすことで湿度を上げているサウナのことで、室温が乾式サウナに比べて低いのも特徴です。

 

気候で想像していただくと分かりやすいと思うのですが、同じ気温でも湿度が高い方が体感温度が高く汗をかきます。乾式サウナは室温が100℃前後かつ湿度も低いため、汗をかくよりも先にすぐ皮膚温が高くなってしまい、サウナ室に長く入ることができません。サウナが熱くてつらいという経験を持っている人はだいたい乾式サウナの経験だと思います。逆に湿式サウナは室温が80℃前後かつ湿度も高いため、汗もすぐ出ますし、乾式サウナよりも長く入ることができます。もうお分かりだと思うのですが、サウナの入り方のコツをつかむまでは湿式サウナを選んで入ることを強くオススメします。

 

湿式サウナの探し方

乾式サウナはどこにでもありますが、湿式サウナはそれほど多くないので自身で探す必要があります。その探し方をお伝えします。

 

まずはサウナ検索サイトであるサウナイキタイにアクセス。

sauna-ikitai.com

 

「特徴から探す」で「ロウリュ」にチェックして検索。

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前述しましたが、熱したサウナストーンに水をかけて蒸気を発生させることをロウリュと言います。

 

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その後地域で絞りこんでください。サウナ室の温度が90℃以下の施設が初心者にはオススメです。(ただし同じ施設に複数のサウナがある場合一つの室温しか表示されていないので詳細を見た方が正確)

 

サウナ室のコツ

サウナ室は上部上段に行くほど室温が高くなります。座った状態では頭部が最も熱の影響を受けるとともに頭は熱に弱いので、サウナ室に長く入るためにケアが必要です。いちばんオススメなのはサウナハットを使うことです。

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僕が愛用しているニコニコテレビちゃんサウナハット

 サウナハットは熱を通しにくく濡れにくいフェルト生地のものがオススメです。サウナ室に無理なく長く入れるようになるので重宝します。今ではいろいろな種類のサウナハットを売っているので検索すればすぐ見つかります。とりあえずお金が惜しい人はタオルで頭を包むとよいと思います。また頭とは逆にいちばん下にある足がサウナ室の構造上、最も温まりにくくなります。あぐらを組んだり片足だけ上げたり、足を温める工夫もするとよいです。

 

サウナ室で汗をダラダラと流して汗だくになっている人がいますが、汗はその都度タオルで拭きとった方が汗腺を防がないのでトータルで汗がよく出ます。もちろんサウナ室に入る前によく頭や体を洗って毛穴の汚れを取っておくことも重要。ただし、サウナ室で汗だくのタオルは絞るのはマナーとしてNGなので気をつけましょう。

 

サウナに入る時間は体調や施設によっても異なるので一概には言えません。ただ冒頭でお伝えした通りサウナは深部温度を高くするのが目的ですので、体が温まっていない1回目をいちばん長く、体が温まっていくにつれて入る時間を短くしていくのがよいと思います。とにかくサウナ室で必要以上のガマンと無理は決してしないでください。ツラくなる直前ぐらいに出ましょう。

 

深部体温を上げるためにも、サウナ室では腹式呼吸をすることをオススメします。肺が温まることが深部体温の上昇を促進します。初心者にはちょっとハードルが高いかもしれないのでできる人だけでいいです。  

 

水風呂のコツ

深部体温を温めるための障害となる皮膚温の上昇を抑えるために水風呂に入ると前述しました。深部体温が高くなると水風呂が全く苦にならなくなります。逆に水風呂が冷たくてツラいと感じるということは深部体温が上がっておらず表面だけが熱くなっている状態だと考えてください。そんな場合はシャワーや水のかけ湯だけで構いません。体が温まって入れるようになるまで水風呂に無理して入る必要はありません。また水風呂に入る場合でも1回目の水風呂は数十秒浸かって出るだけで十分だと思います。初心者にとって最初の水風呂の冷たさこそがいちばんのハードルだと思うので、あくまで体表面の粗熱が取れれば大丈夫だと覚えてください。

 

身体の手と足はもっとも冷えやすく、特に手首と足首は細くなっているだけにここが冷えると体温を下げます。手と足は水風呂から外に出す、を試してみてください。

 

湿式サウナで頭を守って数回体を温めた後、つまり深部体温が上がった状態での水風呂は嘘みたいに気持ちよくなっているはずです。ただここで調子に乗って水風呂に長く入っているとせっかく上げた深部体温を下げることになってしまうので、水風呂の入りすぎには注意ですよ。僕は長くても2分は入りません。

 

水風呂に入る前にかけ湯をすることはサウナにとっていちばん大切なマナーですが、水ではなくお湯でかけ湯をするのがオススメです。これによって体を無駄に冷やすことがなくなります。また水風呂が気持ちよく感じられる状態になったら、水風呂を出た後で、頭や首に水をかけて冷やすことをオススメします。サウナで手と足は冷やすな!頭は冷やせ!理由は後ほど。

 

休憩のコツ

サウナはサウナ室→水風呂→休憩のローテーションで行い、これをセットと言います。水風呂から出たら必ず休憩しましょう。水風呂を出てすぐにサウナに入る人がいますが、休憩しないとサウナの真のよさには気づけません。施設にあるや椅子や寝椅子で最低でも5分はゆっくりしましょう。

 

休憩の前にはタオルで全身よく拭きましょう。体についた水分をふき取ることで、体が冷えるのを防ぎます。繰り返しになりますが、サウナは深部体温を上げるのが目的です。せっかく上がった熱を下げないように気をつけるだけで全然効果が変わります。

 

サウナの気持ちよさの理由は医学的には解明されていないと聞きます。あくまで自身の体験から以下のような仮説を立てています。

サウナの熱によって血管が拡張する。水風呂によって拡張された血管が収縮する。休憩の安静によって血液が体中をめぐる。全身の毛細血管にいたるまで血液が酸素とともに届くことで心地よさを感じる。特に脳に大量の酸素が運ばれることで気持ちよくなる。

僕の平常時の血圧は120ですが、サウナ後は100ぐらいになるので血管が拡張していることがよく分かります。スマートウォッチで計測したところ、サウナ室で心拍数は120ぐらいになり、休憩時には70台まで下がります。運動しているのに近い効果があるのではないでしょうか。またお風呂は水圧が体に負担をかけますが、サウナは水風呂に短時間入るとはいえお風呂に比べて体への負担を少なく体を温められるというメリットもあります。

 

休憩時も腹式呼吸でゆっくりと呼吸を行いリラックスしましょう。呼吸を意識することで、より酸素が全身をくまなく回り、気持ちよくなります。ディープリラックスした状態になるはずです。また、脳に酸素を送るためには頭や首の血管を収縮させた方が効果的です。先ほど、水風呂で頭を冷やしましょう、と書いたのはこのためです。

 

サウナ→水風呂→休憩のセットを繰り返すことで、深部体温を上げるとともに全身にくまなく血液を巡らせます。回数は体調や気温にもよりますが、水風呂に気持ちよく入れるようになるまで、というのがひとつの目安になるでしょう。3セットから5セットだと思います。

 

血液の話をしたのでもう1つ。食後は消化のために胃腸に血液が集まります。そのため、満腹時のサウナは消化を悪くするのでオススメできません。サウナの後はものすごくごはんが美味しいので、むしろ空腹時に入るのがオススメです。

 

最後に

ここまで書いたことを実践していただければサウナの入り方のコツは習得できるはずです。最後に当たり前ですが最も大切なことを。水分をしっかり補給しましょう!脱水状態になるのがいちばん危険です。サウナ室に入る前、入った後には必ず水分を取ってくださいね。またお酒の後のサウナはさらに脱水状態になりやすく体に悪いので厳禁です。

 

とりあえず忘れていただいた「ととのう」についてですが、サウナから帰ってまたすぐサウナに行きたくなったら、それが「ととのった」証だと思います。

 

夏は気温が高いので体が冷えにくく、サウナをするには最適な季節です。サウナ楽しんでくださいね!